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UCI硬さ試験 Measuring Principle - Portable Hardness Tester

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UCI硬さ試験

UCI硬さ試験

UCI(Ultrasonic Contact Impedance:超音波接触インピーダンス)硬さ試験は、ビッカース硬さ試験をベースに開発された硬さ測定方法です。圧痕を電子的に評価し、硬さを算出します。

他の試験手法に比べ圧痕が小さく、薄物・軽量部品の硬さを測定できること、ハンディサイズのため製造現場や屋外でも使用できることが特徴です。
溶接の熱影響部(HAZ)や硬化層、歯車、研磨された部品の硬さ測定に適しています。

測定原理

UCI硬さ計のプローブロッド先端には、ピラミッド形のダイヤモンド圧子が取り付けられています。
プローブロッドは共振周波数で振動しており、ダイヤモンド圧子が試験体に所定の荷重で押し付けられると、共振周波数が金属の硬さに応じて変化します。この共振周波数の変化を、硬さ計本体が電子的に読み取り硬さを算出します。ビッカース硬さ試験では圧痕のサイズを顕微鏡を用いて測定しますが、UCI硬さ試験では圧痕を電子的に評価する点に大きな特徴があります。

UCI硬さ試験は、軽くて薄い試験体の硬度測定が可能で、圧痕が小さく目立たないため研磨加工された試験体の硬さ測定にも適しています。

測定原理

測定方法

UCI硬さ試験では圧痕を電子的に評価するため、圧痕評価のばらつきは低く抑えられています。一方で、圧痕自体は人が手でプローブを保持し、試験体に押し当てることで作られるため、人によるばらつきが出やすく、安定した測定にはある程度の慣れが必要です。

まず、測定箇所にプローブを置きます。次に、両手でプローブを保持し測定箇所に軽く垂直に押し当てます(予荷重、プリロード)。さらに、ダイヤモンド圧子が測定物に接しても止まらずに、そのまま穏やかに約0.5秒間、所定の荷重でプローブを垂直に押し付けます。硬さが表示されるので、プローブにかけている力を緩めます。
注)激しくプローブを押し付けないでください。ダイヤモンド圧子が損傷し正常な測定ができなくる可能性があります。

プローブの種類と試験体

UCI硬さ試験には、10N(1kgf)、50N(5kgf)、100N(10kgf)と試験荷重が異なる3種類のプローブが用意されています。試験荷重が低いほど圧痕が浅いため表面粗さの影響を受けやすく、10Nプローブでは表面粗さRa 5μm、汎用の50NプローブはRa 10μm、98NプローブはRa 15μm未満での使用が推奨されています。(ASTM 1038)

プローブの種類と試験体

項目 10N プローブ 50N プローブ 98N プローブ
表面粗さ(Ra) < 5μm < 10μm < 15μm
圧痕深さ(250HV) 13μm 29μm na
圧痕深さ(750HV) 8μm 17μm na
曲率半径 > 5mm
重さ > 0.3kg
厚さ > 5mm
測定間隔 > 3mm
主な用途
10N プローブ イオン窒化された部品、ベアリング、薄物・小物部品、硬化層、研磨された部品
50N プローブ 高周波焼入れや浸漬焼入れされた部品、熱影響部(HAZ)、シャフト、タービン、ギア
98N プローブ 鍛造品、鋳造品、溶接部、熱影響部(HAZ)、研磨されていない部品