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超音波ボルト軸力計と各種締結手法の特徴 Measuring Principle - Ultrasonic Bolting Meter

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超音波ボルト軸力計と各種締結手法の特徴

超音波ボルト軸力計と各種締結手法の特徴

ボルトの締結管理法には、トルク法や角度法、測伸法などがあります。また、実験用途ではゲージボルトや軸力ボルトと呼ばれる、ひずみゲージを用いた軸力測定も行われています。

このページでは、超音波ボルト軸力計の開発経緯を踏まえその特徴を説明し、その後、超音波ボルト軸力計とその他の締結手法の概要を説明します。

超音波ボルト軸力計の特徴

ボルトの締結管理手法には、トルク法や角度法、測伸法などがあります。精度の面では、ボルトの伸びから軸力を算出する測伸法が最も信頼性が高い手法として古くから知られていましたが、超音波ボルト軸力計の登場以前においては、伸び測定に使用できる機材が測長機しか存在しなかったため、現場において測伸法が用いられることはほとんどありませんでした。

超音波ボルト軸力計の発明者であるジョセフ・ヘイマン博士は、NASAでのボルト原因による風洞事故の調査・再発防止の検討において、トルク法などの既存手法の改善では、ボルト締結の大幅な信頼性向上は見込めないという結論に至りました。既存手法の改良ではなく、ボルトの伸びを直接測定する測伸法による軸力管理に着目し、最終的に超音波によるボルトの伸び測定、すなわち超音波ボルト軸力計を発明しました。

超音波ボルト軸力計は、正確な軸力測定のために開発された装置です。トルク締めにおける摩擦のようなパラメーターに左右されることなく、ボルトの伸びを直接測定するため、非常に高い精度で軸力を測定します。発明以来50年が経過、超音波ボルト軸力計の性能も飛躍的に向上し、現在では軸力管理に必須の計器として広く認知され、幅広い業種で使用されています。

超音波ボルト軸力計を使用することで、例えば、降伏点の90~95%という弾性域内限界で締め付けも可能となります。

超音波ボルト軸力計の特徴

各種締結手法の特徴

測定手法 超音波ボルト軸力計
(測伸法)
ひずみゲージ
(ひずみ法)
角度法 トルクレンチ
(トルク法)
外観 外観 外観 外観 外観
特徴 ボルトの伸びから軸力を測定。
最もバラツキが少なく正確な締結管理方法。ボルト両端面の研磨が必要だが、ばね定数に影響を与えないため、正確な軸力を測定することができる。
ひずみから軸力を測定。
ゲージ接着のため、ばね定数に影響を与える加工を行うため、精度は若干落ちる。連続的なデータ収集に適しており、主に実験やモニタリングで使用されている。
ボルト着座からのボルトを回す角度で、締め付けを管理。
塑性域での締結管理に適しており、自動車のエンジンなど、精度を要求される箇所で利用されている。
最も広く使用されている締結管理手法。
簡易的に締付管理が行える半面、摩擦を一定にすることが難しく、軸力のバラツキが大きい。
測定可能な
ボルトサイズ
径:M5以上
全長:6mm以上
径:M6以上
全長:15mm以上
すべてのボルト すべてのボルト
精度

超音波ボルト軸力計とひずみゲージの比較

測定手法 超音波ボルト軸力計 (測伸法) ひずみゲージ (ひずみ法)
外観 外観 外観
ランニングコスト
(ボルト加工費)
約1,000~5,000円/1本 約10,000~30,000円/1本
ボルト校正 3本程度(全数の校正は必要ない) 全数の校正が必要
測定可能な
ボルトサイズ
径:M5以上
全長:6mm以上
径:M6以上
全長:15mm以上
作業性 作業性が良く、簡単に測定することができる。
ひずみゲージに比べ1/5程度の時間で測定が可能。
作業中にひずみゲージの破損やリード線が断線が起きやすい。
特に、ナットランナーのような速度のある締め付けにおいて問題が生じやすく、測定のやり直しが発生する。
精度 ばね定数に影響を与える加工を行わない。このため、実際のボルトと同じ条件のもと、精度の高い軸力測定ができる。 ボルトの側面または中央の加工がばね定数に影響を与えてしまう。このため、補正係数により精度への影響を小さくする必要がある。
動的測定

*MAXⅡJでは可

多チャンネル測定
(複数ボルトの同時測定)
×
高温での測定

高温のボルトを直接測定することはできないが、常温に戻してからの測定はできる。
×
総評 作業性が良く、短時間でより多くのボルトの軸力測定を行うことができる。
ボルトの測定数が多い場合は、価格の面からも、超音波ボルト軸力計の使用に大きなメリットがある。
動的(連続的)なデータ測定や、多チャンネルで複数ボルトの同時測定を行う場合には、超音波ボルト軸力計では対応できないため、ひずみゲージを使用する必要がある。