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ボルトの役割 Measuring Principle - Ultrasonic Bolting Meter

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ボルトの役割

ボルトの役割

諸説ありますが『ねじ』は古代ギリシアで発明され、産業革命による機械化の進展で大量に生産されるようになりました。日本には、1543年に種子島に伝来した火縄銃の銃身を塞ぐ部品にねじが使用されており、火縄銃とともに伝わったとされています。

現在では、建築・構造物から身近な家具や家電製品まで、あらゆる場所で部材を固定するためにねじ・ボルトが使用されています。
このページでは、ボルトの役割と軸力について説明します。

ボルトの役割と特徴

ボルトは、部材を固定するために使用します。ボルトの他には、溶接で部材を接合する方法もあり、こちらも広く普及しています。溶接とボルトによる固定の違いは、溶接は半永久的な部材の固定を目的に行われる一方、ボルトは必要な時にボルトを緩めることで部材を分解できる点にあります。定期的な部品交換や修理が必要な機械部品においては、部材の固定にボルトを使用することで、メンテナンス性を担保することが出来ます。
ボルトの役割は、部材を将来的に外すことを考慮し一時的に部材を固定することと言えます。

締め付けトルクとは

ボルトによる固定は取り外しができる反面、適切な力で固定しないと、意図せずにボルトが緩んでしまう恐れがあります。ボルトに関連する問題のほとんどは、不適切な締結が引き起こすボルトの緩みや破断にあります。
適切な力で部材を締結するため、トルク法や角度法、測伸法などの締結管理法やそれを実現する計測器が発明されてきました。超音波ボルト軸力計もその一つです。詳細については、「超音波ボルト軸力計とその他締結手法の特徴」で説明します。

軸力とは

ボルトが部材を固定する力を軸力と言います。ボルトを締めると、ボルト締め付け部は軸方向に引っ張られ、わずかに伸びます。ばねを引っ張ると元に戻る力が働くように、ボルトも締付けにより引っ張られることで、元に戻る力が発生しその力により部材が固定されます。この力が軸力です。軸力により、部材が固定されます。
ボルトの締付けは圧倒的にトルク法で実施されることが多く、皆さんも日常的にはトルクでボルトを締結し、「軸力」を意識することは無いと思います。ただ、皆さんが使用している推奨の締付けトルク値は、実は軸力から計算されたものです。(詳細は、「締め付けトルクと軸力の関係」を参照ください。)トルク法以外にも様々な締結手法がありますが、すべて適切な軸力を得ることが目的で、軸力から計算されています。ボルトの締め付け度合いは、軸力でのみ評価することができます。

ボルトの伸びと軸力の関係

ボルトの伸びと軸力には相関関係があります。下のイラストは、ボルトの伸びと軸力の関係を描いたものです。ボルトの伸びが2倍になれば、軸力も2倍になります。伸びが3倍になれば、軸力も3倍になります。ばねを強く引っ張れば、元に戻る力も強くなるのと同様に、ボルトも伸びるほど元に戻る力(軸力)は強くなります。この様に、ボルトの伸びと軸力は正比例の関係にあります。

フックの法則

イギリスの科学者であるロバート・フック(Robert Hooke、1635-1703)は、弾性体において伸びと応力は正比例の関係にあるという法則を1660年に発見しました。この法則は、発見者にちなみフックの法則と呼ばれています。ボルトの伸びと軸力には、フックの法則が成り立ちます。

F=kx F:荷重、k:ばね乗数、x:伸び

フックの法則