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接着・剥離検査 Application Notes - Ultrasonic Flaw Detection

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接着・剥離検査

接着・剥離検査

配管内側のライニングのような金属と樹脂(ゴム)、樹脂と樹脂、金属同士の溶接やろう付け等の接着・剥離の確認を、超音波探傷器を用いて行うことが出来ます。
ここでは、多重エコーの減衰カーブから接着・剥離を識別する方法について説明します。

樹脂・ゴム等の音響インピーダンスが相対的に低い素材に探触子を接触させ、金属・セラミック・ガラス等の音響インピーダンスが相対的に高い素材との接着・剥離を確認する方法については、異材の接着・剥離検査を参照ください。

測定方法

通常、探触子接触面の材質が金属の場合は、公称周波数5MHzの一振動子探触子を、樹脂の場合は2~5MHzの一振動子探触子を使用します。素材の厚みが薄い場合は、遅延材付きの探触子を使用します。試験体の厚さや表面状態・形状等を考慮し、適切な探触子を選択してください。

接着(溶着)には、金属と金属や樹脂と樹脂のように似た素材同士の接着(溶着)と、樹脂と金属のように異なる素材での接着があります。似た素材での接着と異なる素材での接着では、判定方法が異なります。
初めに、似た素材同士の接着・剥離検査方法について説明し、次に異なる素材での接着について説明します。

似た素材同士の接着(音響インピーダンスが近い素材同士の接着)

金属と金属、樹脂と樹脂の接着(溶着)は、音響インピーダンスが近い素材同士の接着です。
音響インピーダンスが近い素材間では、境界面で反射する超音波は少なく、大部分が透過します。境界面で反射した超音波エコーの高さを超音波探傷器で観察すると、接着時には大部分のエコーが透過してしまうため、境界面からのエコーは非常に低くなります。
一方、剥離している場合は境界面でエコーがすべて反射し戻ってきますので、高いエコーを観察することができます。
金属と金属の溶接・ろう付けや、樹脂同士の接着のように音響インピーダンスが近い素材の接着は、このように比較的簡単に識別することができます。

異なる素材の接着(音響インピーダンスが異なる素材の接着)

一方で、金属と樹脂のような異なる素材の接着は、音響インピーダンスが異なる素材の接着です。
音響インピーダンスが異なる素材間では、境界面でを透過する超音波はわずかで、大部分が反射します。このため、接着時と剥離時の境界面からのエコー高さの差は僅かとなります。
ただ、境界面からの多重エコーで比較すると、接着時は境界面をわずかに超音波が透過するため、減衰率が剥離時よりも高くなります。
以下は、接着時の境界面からの多重エコーと、剥離時の境界面からの多重エコーです。比較しやすくするために、接着時の境界面からの多重エコーをもとにDAC線を作成しています。剥離時は、多重エコーが全体的に高くなりDAC線を超えていることが分かります。
このように、異なる素材の接着・剥離検査は、多重エコーをもとに判定します。

異なる素材の接着で、樹脂側に探触子を接触させることができる場合は、位相の反転から接着を確認する方法(異材の接着・剥離検査)の方がより簡易的に判定できますので、そちらを参照ください。