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エコー高さと距離の関係 Measuring Principle - Ultrasonic Flaw Detection

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エコー高さと距離の関係

超音波探傷では、表示器(モニター)上のエコーを観察し、きずの大きさと位置(探触子からの距離)を推定します。
きずの位置(探触子からの距離)は、きずエコーのx軸位置から判断することができます。一方、きずの大きさは、エコー高さをもとに評価しますが、エコー高さはきずの大きさだけでなく、探触子からの距離にも影響を受けてしまいます。超音波は、距離が離れると次第に弱くなり、エコー高さが低くなるからです。このため、きずの大きさを単純にエコー高さから評価することはできません。

下のイラストは、深さが異なる同じ大きさのきずの探傷イメージです。きずの大きさは同じですが、きずの位置が遠くなるにつれてエコーが小さくなる様子が分かります。

距離振幅特性曲線(DAC)

エコー高さはきずの大きさだけでなく探触子からの距離にも左右されるため、きずの大きさを推定するためには、探触子からの距離を考慮する必要があります。この課題に対処するため、距離振幅特性曲線(DAC)と呼ばれる、深さが異なる同サイズのきずエコーを結ぶ線を描き、エコーを評価する方法が考えられました。

深さの異なる同じ大きさのきず(人工欠陥)を持つ試験片を用意し、それぞれのきずエコーの頂点を結ぶ線を描きます。下のイラストでは赤色の線が、距離振幅特性曲線です。試験片には、垂直探傷ではSTB-G、斜角探傷ではSTB-A2やRB-41等が用いられます。

距離振幅特性曲線作成後、探傷を行います。きずエコーが赤色の距離振幅特性曲線を超えると、人工欠陥よりもきずが大きいことを示し、曲線に届かない場合は、人工欠陥よりもきずが小さいことを示します。
下のイラストでは、左側のきずエコーは、右側のきずエコーよりもエコー自体は高いですが、距離振幅特性曲線の下に位置します。一方で右側のエコーは曲線を超えているため、きずの大きさとしては、右側のきずエコーの方が大きいと判断できます。

このように、距離振幅特性曲線を描くことで、探触子からきずまでの距離を考慮しきずの大きさを評価することが出来ます。