垂直探傷と斜角探傷 Measuring Principle - Ultrasonic Flaw Detection
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垂直探傷と斜角探傷
探傷方法は、垂直探傷と斜角探傷の大きく2つに分類することができます。
垂直探傷は、試験体に対し垂直に超音波を入射し、探触子の真下に位置するきずを検出する検査方法です。鋼板や鍛鋼品、棒鋼、鋳鉄等の探傷で用いられています。
斜角探傷とは、斜めに超音波を発信して探傷を行う方法です。例えば、溶接部では余盛のため垂直探傷を行うことができません。このような場合は、余盛りを避けて斜めに超音波を入射させることができる斜角探傷を用います。斜角探触子には様々な屈折角の探触子が用意されており、板厚に応じて選定します。一般的には45、60、70度の斜角探触子が使用されています。
直射
1回反射
斜角探触子の基本的な走査方法
斜角探傷には、前後走査、左右走査、首振り走査の3つの基本となる探触子の動かし方(走査)があります。きずの最大エコーを求める際に、これらの走査を組み合わせて行います。
縦波と横波
超音波の波の種類には、縦波や横波、表面波、板波などがあります。超音波探傷では、主に縦波と横波を使用します。
縦波とは、粒子の振動が波の進行方向と同じ縦方向に起こる波のことで、最も伝達が速い波です。垂直探傷では主に縦波を使用します。
横波は、粒子の振動が波の進行方向と直角の横方向に起こる波のことです。縦波よりも伝達が遅く、約半分の伝達速度となります。斜角探傷では主に横波が使用されています。
下表は、主要な材料の縦波と横波の音速です。 材質により縦波と横波の音速は異なります。誤った音速で探傷すると、きずの正確な深さや位置、大きさが検出できなくなります。
材料 | 音速(m/s) | |
---|---|---|
縦波 | 横波 | |
鋼 | 5,920 | 3,240 |
ステンレス | 5,660 | 3,120 |
アルミニウム | 6,380 | 3,130 |
鋳鉄 | 4,550 | 2,700 |
銅 | 4,650 | 2,260 |
ガラス | 5,770 | 3,430 |
ポリ塩化ビニル | 2,390 | 1,060 |
ナイロン | 2,690 | 1,090 |
単位:m/秒