Usage 用途(超音波厚さ測定/ワーク)
シリンダーブロック 自動車のバンパー 自動車のボディ ペットボトル 深穴加工時の偏心検査 鋳抜きピン 合わせガラス ベルトコンベア ゴム製タイヤ CVケーブルの
ビニル被膜 FRP船 銅管のろう付け 魔法瓶 鋼矢板 海底パイプライン 鋼管柱(水中構造物) ポンツーン(浮桟橋)
街灯の厚さ測定
現在日本には、30万以上の街灯が設置されていると言われています。近年、設置から年数が経過した街灯が増えるとともに、保守管理の重要性が認識されています。外観上は異常が無くても、内側から減肉が進行している場合があり、放置すると、最悪のケースでは事故につながる恐れがあります。
超音波厚さ計は、街灯内部の腐食による減肉を簡単に測定することができるため、街灯の保守・管理に大きな役割を果たすことができます。
測定方法
街灯(鋼管)の検査には、腐食検査用厚さ計と5MHzのトランスデューサーを使用します。
正確な厚さを測定するためには、表面の塗装をはがして測定する方法が最適ですが、コストを考えると難しいのが実情です。
塗装を剥がさずに測定を行う場合、実際の塗装厚さの約3倍の厚さが母材の厚さに加算され、測定値として表示されてしまいます。このため、膜厚計等を使用して塗装の厚さを把握し、母材の厚さを算出する必要があります。
エコー・エコーモード(多重エコー方式、B1-Bn方式)を搭載した厚さ計を使用することで、塗装を剥がさずに母材の厚さのみを測定することもできます。ただし、ZX-6のように数字しか表示されないエコー・エコーモードを搭載した厚さ計では、管内部の腐食が進行している場合に、2回目の底面エコー(第2回底面エコー)を検出することができないことがあり、お勧めできません。腐食が懸念される箇所の測定では、Aスコープ表示付きの超音波厚さ計(MVX、CMX DL+)を使用し、エコーを確認しながら測定を行う必要があります。
測定は、想定される腐食状況により、1回測定法、2回測定法、多点測定法、精密測定法などを組み合わせて行います。1回測定法、2回測定法、多点測定法、精密測定法については、超音波厚さ計の測定方法(基礎)をご確認ください。
測定方法(基礎)はこちら対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
5.0MHz | 12mm | 二振動子 | ZX-1/2/3/5 | TT-D5-14 | |
5.0MHz | 12mm | ハイダンプ | 二振動子 | ZX-6、MVX | TT-D5-14HD |
5.0MHz | 12mm | コーティング | 二振動子 | CMXシリーズ | TT-D5-14CT |
塩化ビニル管(塩ビ管)の厚さ測定
ポリ塩化ビニル管(塩ビ管)は、鉄等の金属とは異なり赤さび等が発生せず、また管の内面が滑らかなため、異物の発生や付着が少なく効率よく通水できます。さらに、軽量のため施工現場での取扱いや運搬性に優れており、上下水道の給排水管、電線管等の用途で使用されています。
ここでは、供用中のポリ塩化ビニル管(塩ビ管)の超音波厚さ測定と、製造時の品質確認での厚さ測定について説明します。
測定方法
ポリ塩化ビニル(塩ビ)は、超音波の伝達に優れており、超音波厚さ計での測定が比較的容易な材質です。ただし、通水中での測定と高温下での測定には注意が必要です。
保守検査での供用中の塩ビ管の超音波厚さ測定では、管の内部に水などの液体が存在する場合があります。内部に液体があると、超音波の大部分は塩ビ管と液体の境界を透過してしまい、一部の超音波しか塩ビ管と液体の境界面で反射しません。このため、戻ってきた超音波は非常に弱く、厚さ計で測定できない場合があります。
このため、測定には低周波の2.25MHzもしくは1MHzのトランスデューサー(プローブ・探触子)を使用します。
一方、製造時の押出成形機から押し出された直後の測定では、塩ビ管が高温のため超音波の減衰が著しく、通常の超音波厚さ計では底面エコーを受信することができません。
このため、高減衰材に対応したAスコープ表示付きの超音波厚さ計(MVX、CMX DL+)を使用し測定を行います。
1mを超えるような大径の塩ビ管ではこれらの厚さ計でも測定できない場合がありますので、事前にお問い合わせください。
*管の測定方法については、管材(配管・パイプ)の厚さ測定をご確認ください。
対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
1.0MHz | 18mm | 二振動子 | MVX、CMXシリーズ | TT-D1-12 | |
1.0MHz | 18mm | コンポジット | 二振動子 | MVX、CMXシリーズ | TT-D1-12CPZT |
2.25MHz | 18mm | 二振動子 | ZXシリーズ、MVX、CMXシリーズ | TT-D2-12 | |
2.25MHz | 12mm | 二振動子 | ZXシリーズ、MVX、CMXシリーズ | TT-D2-14 |
エンジンのシリンダーブロックの厚さ測定
カーレースなどのモータースポーツでは、マシンのパフォーマンスを最大限に引き出すため、エンジンに様々なチューニングが施されています。
エンジンのボアアップや、シリンダヘッドの吸排気ポートの加工もその一つです。そして、それらのチューニングにおいて、シリンダー壁やヘッドポートの厚さの管理は非常に重要です。
ダコタ・ジャパンでは、エンジン専用に開発した特殊な専用トランスデューサー(プローブ・探触子)を用意しています。専用トランスデューサーを使用する事で、シリンダー壁やヘッドポートの厚さを、超音波厚さ計で簡単に測定することができます。
測定方法
シリンダーおよびヘッドポートは、内筒形状のため、先端がフラットな通常のトランスデューサー(プローブ・探触子)では測定することができません。シリンダ、ヘッドポート測定用に開発した、内筒形状測定用(内R測定用)のトランスデューサーを使用し、厚さを測定します。
トランスデューサー(プローブ・探触子)の周波数は、鋳鉄の場合は5MHzを、アルミニウムの場合には10MHzを選択します。厚さ計本体は、感度調整機能を搭載し、鋳鉄・鋳造アルミの測定にも対応したZX-3/ZX-5を使用します。
対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
5.0MHz | 18mm | シリンダー用(R=50mm) | 二振動子 | ZXシリーズ、MVX、 CMXシリーズ |
TT-D5-12R |
5.0MHz | 12mm | 吸排気ポート用(R=15mm) | 二振動子 | ZXシリーズ、MVX、 CMXシリーズ |
TT-D5-14R |
5.0MHz | 12mm | 吸排気ポート用(R=15mm)、 長さ約22cmのロッド(棒)付き |
二振動子 | ZXシリーズ、MVX、 CMXシリーズ |
TT-D5-14RL |
10MHz | 18mm | シリンダー用(R=50mm) | 二振動子 | ZXシリーズ、MVX、 CMXシリーズ |
TT-D10-12R |
10MHz | 12mm | 吸排気ポート用(R=15mm) | 二振動子 | ZXシリーズ、MVX、 CMXシリーズ |
TT-D10-14R |
10MHz | 12mm | 吸排気ポート用(R=15mm)、 長さ約22cmのロッド(棒)付き |
二振動子 | ZXシリーズ、MVX、 CMXシリーズ |
TT-D10-14RL |
自動車バンパーの厚さ測定
自動車のバンパーは、自動車が衝突した際にその衝撃を緩和し車体や乗員をまもる役割や、歩行者への衝撃を緩和する働きがあり、自動車の前後に取り付けられています。
バンパーの素材には、鉄、PP(ポリプロピレン)、FRP、カーボンファイバーなどが使用されています。
近年は、車体の軽量化による燃費の向上や、成形する際の加工の自由性、一体成形によるコスト削減等の利点から、PP(ポリプロピレン)が主流となっています。
ここでは、PP(ポリプロピレン)の自動車バンパーの測定方法を紹介します。
測定方法
PP(ポリプロピレン)は、超音波の減衰が激しい材質のため、感度(ゲイン)やゲート(閾値)調整が可能な、Aスコープ(波形)表示付きの超音波厚さ計(PVX、MVX、CMX DL+)を用いて測定します。
PVXの場合は、5MHzのトランスデューサー、もしくは10MHzのペン型トランスデューサーを使用します。MVX、CMX DL+の場合は、2.25MHzや1MHzの低周波のトランスデューサーを使用します。
誤ってノイズ等を測定しないように、必ずAスコープ(エコー)を確認しながら測定を行ってください。
PVXとペン型トランスデューサーの組合せは、自動車のボディの厚さ測定にも使用することができます。
対応トランスデューサー
一般・腐食検査用厚さ計の場合は、3.5、5、7.5MHzのハイダンプのトランスデューサー(プローブ・探触子)を使用します。
厚みのある材料を測定する場合は、大径または3.5MHzのトランスデューサーを使用し、より高精度で測定する場合は7.5MHzのトランスデューサーを使用します。
ハイダンプ・コーティングタイプのトランスデューサーは、塗膜上からの測定以外にも、腐食検査や厚さ測定等の通常の測定にも使用することができます。
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
1.0MHz | 18mm | 二振動子 | MVX、CMXシリーズ | TT-D1-12 | |
2.25MHz | 12mm | 二振動子 | MVX、CMXシリーズ | TT-D2-14 | |
2.25MHz | 18mm | 二振動子 | MVX、CMXシリーズ | TT-D2-12 | |
5.0MHz | 6mm | 湾曲部用 | 一振動子 | PVX | TT-SC5-18 |
5.0MHz | 9mm | 一振動子 | PVX | TT-SC5-14 | |
10MHz | 2mm | ペン型 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD10-116P |
10MHz | 2mm | ペン型/ショートタイプ 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD10-116PR |
自動車ボディの厚さ測定
自動車のボディは、複雑な形状をしており、さらに近年では車体軽量化のため、より薄い鋼板が使用されています。
自動車ボディのような複雑な形状の測定では、通常のトランスデューサー(プローブ・探触子)では径が大きすぎるため測定することができません。また1mm以下の厚さを測定するためには、分解能の高い精密検査用の厚さ計を使用する必要があります。
PVXとペン型トランスデューサーの組み合わせは、自動車ボディの厚さ測定に最適です。車体および組み立てメーカーで、多くの実績があります。
測定方法
Aスコープ(波形)表示付きの精密測定用超音波厚さ計(PVX)とペン型トランスデューサーの組み合わせにより、湾曲部の1mm以下の厚みを測定することができます。
湾曲部の厚さ1mm以下の測定は、超音波厚さ計で最も難しい測定の1つです。
本体の操作に加え、超音波波形(エコー)の形状が複雑になり、正しいエコーを識別するための高度な知識が必要になります。
ダコタ・ジャパンでは、長年の経験に基づいた自動車ボディ測定用の最適な設定を登録し出荷しています。さらに、納入時の操作説明では、操作方法だけでなく超音波波形に関する知識も講習しますので、初めて超音波厚さ計を使用される方も、安心してご利用いただけます。
*湾曲部の基本的な測定方法については、湾曲・エッジ部の厚さ測定をご覧ください。
湾曲(曲げ・絞り)・エッジ部の厚さ測定はこちら
動画
電球の測定
自動車プレス部品の測定
対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
10MHz | 2mm | ペン型 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD10-116P |
10MHz | 2mm | ペン型/ショートタイプ 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD10-116PR |
15MHz | 2mm | ペン型 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD15-116P |
ペットボトルの厚さ測定
ペットボトルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)と呼ばれる熱可塑性樹脂を材料として作られています。試験管状のプリフォームに成形後、加熱し空気を入れて膨らませることで、ボトル状に成形します。ガラス瓶に比べ軽量で、丈夫で割れにくいため、主に飲料用容器として使用されています。
ペットボルトの肉厚は、耐衝撃性や耐圧力性を考慮し設計されています。製造時の厚さ測定では、ペットボトルをカットしてマイクロメーターで測定する方法の他に、切断することなく非破壊で厚みを測定することができる超音波厚さ計や磁気式厚さ計が採用されています。
測定方法 超音波厚さ計
ペットボトルは、Aスコープ(波形)表示付きの精密測定用超音波厚さ計PVXとペン型トランスデューサーの組み合わせで測定を行います。
測定できるペットボトルの厚さの目安は、0.15mm以上です。ただし、形状や部位によっては測定できない場合もあります。測定を検討中のお客様は、当社までご相談ください。無償でサンプルテストを実施します。
ペン型トランスデューサーを用いての基本的な測定方法については、湾曲・エッジ部の厚さ測定をご覧ください。
湾曲(曲げ・絞り)・エッジ部の厚さ測定はこちら
動画
ペットボトル容器の測定 PVX
測定方法 磁気式厚さ計
磁気式厚さ計は、測定箇所にセンサーを接触させ、同時に反対側に鉄球や磁石球等のターゲットボールを配置することで、センサーとターゲットボールの距離を測定し、測定箇所の厚さを表示します。
測定箇所の反対面に鉄球等を配置する必要がありますが、カプラント(接触媒質)が不要なため連続的な測定に適しており、さらに曲面やコーナーの厚さ測定も比較的簡単に行うことができます。また、超音波厚さ計では測定困難な0.1mm未満の厚さ測定も可能です。
動画
深穴加工の偏心検査
金属棒材へのドリルを使用した深穴加工では、棒材の中心に穴をあけ、外周の肉厚が一定になるよう加工をします。しかし、ドリル先端の刃が消耗している等の理由で、真っ直ぐに穴あけが行えず、偏心が生じる場合があります。
通常、偏心の確認は、棒材を切断しノギス等で測定しなければ確認することができません。
しかし、超音波厚さ計を使用すれば、製品を破壊することなく、穴の偏心を簡単に確認することができます。
測定方法
金属棒材の偏心は、周方向に等間隔で3点(または4点)の厚さ測定を行うことで、偏心状況を確認することができます。より精密に偏心を確認する場合は、測定点を増やすことで、詳細な偏心状況を把握することができます。
周方向から測定した厚さが一定になっていれば、棒材の中心に正しく穴が空けられていると判断できます。一方、測定値が異なる場合は、偏心が生じています。
金属棒材の外径が20mm以上の場合は、ZXシリーズと7.5MHzの高精度・薄物用のトランスデューサー(プローブ・探触子)の組み合わせで測定を行います。
外径が20mm未満の場合には、分解能に優れた精密検査用の超音波厚さ計PVXと先端が細いペン型のトランスデューサー(プローブ・探触子)の組み合わせて測定を行います。
平角棒の測定
棒材以外に、平角棒でも超音波厚さ計を使用した偏心の確認を行うことができます。
平角棒の偏心の確認では、加工穴の始端付近と終端付近のそれぞれの表面から加工穴までの距離を、超音波厚さ計で測定します。この時、加工穴の始端と終端での測定値が同じであれば、偏心なく穴が空けられていると判断できます。始端付近と終端付近で加工穴までの距離が異なる場合は、偏心が生じています。
偏心なし
偏心あり
対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
7.5MHz | 12mm | 高精度・薄物用 | 二振動子 | ZXシリーズ | TT-D7-14HR |
10MHz | 2mm | ペン型 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD10-116P |
10MHz | 2mm | ペン型/ショートタイプ 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD10-116PR |
15MHz | 2mm | ペン型 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD15-116PR |
鋳抜きピン(コアピン)の厚さ測定
鋳抜きピン(コアピン)は、鋳造品に穴を作るためのピンのことで、耐久性が必要とされる重要な金型部品の一つです。
鋳抜きピン(コアピン)の内部には冷却穴がありますが、この穴が偏肉していると、冷却時の温度差が大きくなり、耐久性が著しく低下してしまいます。このため、鋳抜きピンの偏肉の管理は非常に重要です。
超音波厚さ計を用いることで、冷却穴の偏肉を簡単に測定することができます。鋳抜きピン製造時の偏肉管理のため、多くの鋳抜きピン製造メーカーで超音波厚さ計が使用されています。
測定方法
鋳抜きピンの厚さ測定は、分解能に優れた精密検査用のAスコープ表示付き超音波厚さ計PVXと、先端が細いペン型のトランスデューサー(プローブ・探触子)の組み合わせで測定を行います。
ペン型トランスデューサーは、先端径が細いため、測定面に垂直に接触させることが難く、このため、Aスコープ(波形・エコー)で垂直に接触していることを確認しながら、測定を行います。
下図(a)のように垂直に接触していない場合、材料の反対面に反射した底面エコーを受信することができません。このため、厚さ計本体のディスプレイにはエコーが表示されず、厚さを測定することができません。
一方、下図(b)のように垂直に接触している場合は、エコーを受信することができるため、ディスプレイには底面エコー(波形)が現れ、厚さが表示されます。
ピンの周方向に90度毎、4点測定を行います。一般的にはピンの中央から先端部分の任意の箇所を、周方向に4点測定することで偏肉状況を把握することができます。
鋳抜きピンの外径が20mm以上の場合は、ZXシリーズと7.5MHzの高精度・薄物用のトランスデューサー(プローブ・探触子)の組み合わせでも測定が可能です。
ZXシリーズでの円筒状の測定方法は、管材(配管・パイプ)の厚さ測定をご確認ください。
動画
鋳抜きピン(コアピン)の測定 PVX
対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
10MHz | 2mm | ペン型 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD10-116P |
10MHz | 2mm | ペン型/ショートタイプ 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD10-116PR |
15MHz | 2mm | ペン型 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD15-116P |
合わせガラスの厚さ測定
合わせガラスとは、2枚のガラスを樹脂被膜で接着したガラスのことです。ガラス間の樹脂被膜層の存在により、1枚ガラスに比べ、耐衝撃・耐貫通性能が極めて優れています。さらに、中間膜に特殊な素材を挟むことで、遮音、遮熱、紫外線カット等の特性を持たすことができます。高い耐衝撃・耐貫通性能が必要とされる自動車や列車、防犯が求められる住宅のリビングの窓ガラスなどで使用されています。
超音波厚さ計を使用すれば、接着されたガラスを剥がさずに、それぞれのガラスの樹脂被膜までの厚みを測定することができます。
測定方法
合わせガラスの厚さ測定では、1/1,000mm分解能の精密超音波厚さ計PZX-7またはPVXと、高周波の20MHzの遅延材付きトランスデューサー(プローブ・探触子)を使用して測定を行います。
カプラント(接触媒質)には、それ自体の厚みよる誤差を低減するために、粘性の低いEchoPure™(エコーピュア)を使用します。ガラス表面にカプラントを塗布したくない場合は、EchoPure™(エコーピュア)の代わりに、真水を使用してください。EchoPureに比べ超音波の透過は劣りますが、同様に粘性が少ないため、比較的少ない誤差で測定することができます。
トランスデューサーと接しているガラスの厚さのみを測定することができます。
カプラント EchoPure™(エコーピュア) 精密検査用厚さ計に最適な低粘度の高性能カプラント
対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
15MHz | 7mm | 遅延材付き | 一振動子 | PZX-7、PVX | TT-SD15-14 |
20MHz | 7mm | 遅延材付き | 一振動子 | PZX-7、PVX | TT-SD20-14 |
ベルトコンベア(コンベアベルト)の厚さ測定
ベルトコンベアは、荷物を連続的に運搬することができる搬送装置です。幅広の環状ベルトをローラーに掛けて台車の上で回転させ、その上に荷を載せます。
コンベアベルトには、主にゴムが使用されており、帆布やスチールコード等を心材とし、その両面をゴムで挟み込んだ構造になっています。コンベアベルトの厚さは、ベルトそのものの強度にもよりますが、3mm程度から10mm程度まであり、搬送物に接触する上面側が厚くできています。
鉱山や製鉄所等で使用されているコンベアベルトは、摩耗による厚さ管理の必要性が高く、超音波厚さ計を使用し厚さ測定が行われています。
測定方法
トランスデューサー(プローブ・探触子)からゴムに透過した超音波は、ゴムと心材の境界で反射し戻ってきます。このため、ゴムの摩耗による減肉は、心材までの厚さを測定することで管理することができます。
ゴム材料は、超音波の減衰が大きいという特徴があり、さらにゴムと心材の境界の状況により、反射エコーが弱くなったり、反射エコーのパターンが複雑になる場合がります。このため、測定にはAスコープ(エコー・波形)を読み取りながら測定を行う必要があり、装置にはAスコープ表示付きの超音波厚さ計(MVX、CMX DL+)を用います。
トランスデューサーには高減衰材の測定に適した、低周波の1MHzまたは2.25MHzを使用します。測定時には、十分な量のカプラントをコンベアベルト表面に塗布します。誤ってノイズ等を測定しないように、注意深くAスコープ(エコー)を確認しながら測定を行います。
*ゴム(ラバー)の基本的な測定については、ゴムを参照ください。
ゴムの厚さ測定はこちらトランスデューサー(1MHz/2.25MHz)
Aスコープ(波形)
動画
ベルトコンベアの測定 CMX DL+ Ver.2
(心材:帆布)
ベルトコンベアの測定 CMX DL+ Ver.2
(心材:スチールコード)
対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
1.0MHz | 18mm | 二振動子 | MVX、CMXシリーズ | TT-D1-12 | |
1.0MHz | 18mm | コンポジット | 二振動子 | MVX、CMXシリーズ | TT-D1-12CPZT |
2.25MHz | 18mm | 二振動子 | MVX、CMXシリーズ | TT-D2-12 |
タイヤ(ゴム製)の厚さ測定
自動車や二輪車に使用されているタイヤは、路面の衝撃を和らげ乗り心地を向上させる役割の他に、駆動力・制動力を路面に伝える、方向を転換・維持する、そして車体重量や乗員・積み荷の重さを支える等の重要な役割を担っています。
自動車用のゴム製タイヤは、製造時に外観検査やバランスチェック、内部のスチールコードの位置の確認などが行われます。外観からは判断できないスチールコードの位置は、使用中における事故や故障の原因となることもある為、一般的にX線等を用いて検査が行われています。
超音波厚さ計による測定では、X線検査における取扱い上の注意や透視画像に対する知識が必要ありません。ある程度慣れれば、誰でも現場でタイヤのトレッド部の外表面から内部スチールコードまでのゴムの厚さ検査を、精密に行うことができます。
測定方法
タイヤの超音波厚さ測定は、比較的難易度の高い測定です。ゴム製タイヤの厚さ測定では、トレッド部表面からスチールコードまでの厚さを計測します。ゴム材料は元々、超音波の減衰が大きいという特徴があり、さらにトレッド部の表面にはスリットが何本もあるため、一般的なゴム材料よりも超音波の減衰が大きくなります。
しかしながら、コツをつかむと画面に表示されるエコー(波形)を見ながら調整・検査・解析を行うことができるため、他の方法に比べて取扱いし易く、迅速な検査が行えます。
タイヤ自体の内部構造によって発生する反射エコーのパターンが複雑であるため、これらの測定にはAスコープ(エコー・波形)を読み取りながら測定を行う必要があります。このため、装置にはAスコープ(波形)表示付きの超音波厚さ計(MVX、CMX DL+)を用います。また。タイヤは超音波の減衰が大きいため、トランスデューサーには低周波の1MHzを使用します。さらに、測定時には、十分な量のカプラントをゴムタイヤ表面に塗布してください。
*ゴム(ラバー)の基本的な測定については、ゴムを参照ください。
ゴムの厚さ測定はこちら対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
1.0MHz | 18mm | 二振動子 | MVX、CMXシリーズ | TT-D1-12 | |
1.0MHz | 18mm | コンポジット | 二振動子 | MVX、CMXシリーズ | TT-D1-12CPZT |
CVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)のビニル皮膜の厚さ測定
CVケーブルとは、架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルの略で、架橋結合をしたポリエチレンを絶縁材料として用いた電力用ケーブルです。高い性能と信頼性を持ち、どのような種類や規模の建築物に対しても導入が可能なため、広く普及しています。
CVケーブルの最外層には、絶縁体への外傷、浸水等を防ぐために外部被覆(シース)としてビニル皮膜が施されています。ビニル皮膜の厚さが一定でないと耐久性が低下するため、皮膜の厚さは製造時の重要な管理項目です。
超音波厚さ計は、CVケーブル製造時のビニル皮膜の厚さ管理に使用されています。
測定方法
ビニル皮膜の素材には、PVC(ポリ塩化ビニル)やPE(ポリエチレン)、ナイロンが使用されています。これらの素材は超音波の減衰が激しいため、一般的な超音波厚さ計では測定することができません。
CVケーブルのビニル皮膜の測定には、Aスコープ(波形)表示付きの超音波厚さ計(MVX、CMX DL+)と、透過力に優れた1MHzのトランスデューサーを使用して測定を行います。
ビニル皮膜が被覆処理された後に、ケーブルを周方向に90度毎に4点、一定間隔で測定することで、ビニル皮膜の厚さを管理することができます。
対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
1.0MHz | 18mm | 二振動子 | MVX、CMXシリーズ | TT-D1-12 | |
1.0MHz | 18mm | コンポジット | 二振動子 | MVX、CMXシリーズ | TT-D1-12CPZT |
FRP船の厚さ測定
FRP(繊維強化プラスチック)とは、その名の通り繊維で強化されたプラスチックのことです。軽量、高強度で耐食性にも優れた特性を持つため、モーターボートや、水上オートバイ、漁船等の小型船舶の船体でも広く使用されています。
FRP(繊維強化プラスチック)で使用される繊維には様々な種類がありますが、FRP船では主にガラス繊維が使用されています。
超音波厚さ計を使用することで、非破壊で船体の厚さを測定することができるため、保守・メンテナンス時の船体の管理に使用されています。
測定方法
FRP(繊維強化プラスチック)は、含まれる繊維が超音波の伝達の妨げとなるため、超音波厚さ計での測定が難しい素材の一つです。
超音波厚さ計からFRPに透過したエコー(超音波)の一部は、ガラス繊維で反射してしまいます。一般的な厚さ計では、このガラス繊維に反射したエコー(超音波)を、底面からのエコー(超音波)と誤って測定してしまう場合があります。このため、Aスコープ(波形)表示付きの超音波厚さ計(MVX、CMX DL+)を用い、適切なエコーを検出していることを確認しながら測定を行います。また、トランスデューサー(探触子・プローブ)には、低周波の1MHzや2.25MHzを使用します。
陸上で整備中の船底等の狭い場所での測定には、ハンディータイプの超音波厚さ計が適しています。MVXおよびCMX DL+は、その点においても最適で、ハンディタイプながら操作性に優れており、FRPやゴムの測定にも対応した高性能な厚さ計のため、整備現場でも高い評価を得ています。
*FRPの内部に気泡や剥離による空気層が存在する場合は、超音波が空気層で反射するため、FRP全体の厚さを測定することができませんのでご注意ください。
FRPの厚さ測定はこちら対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
1.0MHz | 18mm | 二振動子 | MVX、CMXシリーズ | TT-D1-12 | |
1.0MHz | 18mm | コンポジット | 二振動子 | MVX、CMXシリーズ | TT-D1-12CPZT |
2.25MHz | 12mm | 二振動子 | ZXシリーズ、MVX、CMXシリーズ | TT-D2-14 | |
2.25MHz | 18mm | 二振動子 | ZXシリーズ、MVX、CMXシリーズ | TT-D2-12 |
銅管のろう付け(鑞付け)接合部の検査
ろう付け(鑞付け)とは、金属を接合する溶接の一種です。
接合する部材と部材の間に、より融点の低い合金(ろう)を溶かし、接着剤として用いる事で、母材自体を溶かさずに複数の部材を接合させることができます。母材を溶かさずに接合するため、熱伝導率の高い銅(銅合金)の溶接も可能な上、接合強度が強く、気密性(密閉度)が高いため、銅配管の継手に積極的に適用されています。
超音波厚さ計は、ろう付け(鑞付け)接合部の検査に使用することができます。特に、小径銅管のろう付けの接合部の確認に、超音波厚さ計が使用されています。
測定方法
小径銅管のろう付け接合部の検査は、PVXとペン型トランスデューサー(プローブ・探触子)の組み合わせで実施します。
ろう付けが不十分な場合、外側の銅管と内側の銅管の間に空気の層が生じ、空気の層で超音波が反射してしまいます。このため、超音波厚さ計には外側の銅管の厚さしか表示されません。
一方、適切に溶接が行われている場合は、内側の銅管まで超音波が透過するため、外側と内側の銅管の合計の厚さが表示されます。
このように、ろう付け接合部の良否判定は、銅管の厚さを測定することで行うことができます。ただし、超音波厚さ計ではトランスデューサー(プローブ・探触子)の接触箇所の厚さしか測定できないため、ろう付け接合部の良否確認のためには、周方向に複数点の厚さ測定を実施し判断する必要があります。
小径配管の測定方法については、高圧ガス配管等の小径配管・パイプの厚さ測定を参照ください。
小径配管・パイプの厚さ測定はこちら
ろう付け OK適切にろう付けされている場合、銅管2枚分の厚さが厚さ計本体に表示されます。
ろう付け NGろう付けが不適切な場合は、空気の層で超音波が反射するため、表側の一枚分の厚さしか、厚さ計本体には表示されません。
銅管の外径が25mm以上かつ配管の厚さが1mm以上の場合は、ZXシリーズとTT-D5-316の組み合わせでも測定が可能です。
対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
10MHz | 2mm | ペン型 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD10-116P |
10MHz | 2mm | ペン型/ショートタイプ 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD10-116PR |
15MHz | 2mm | ペン型 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD15-116P |
魔法瓶(金属製の二重構造容器)の厚さ測定
魔法瓶は、長時間の保冷・保温効果を実現するために、外びん(外層)と内びん(内層)の間を真空状態にしています。真空には、熱を伝える空気の分子が存在しないため熱伝導が無く、断熱効果があるからです。
魔法瓶にはガラス製とステンレス製の2種がありますが、現在は軽量で落としても割れる心配のないステンレス製が主流になっています。ステンレス製の魔法瓶では、より軽く、より大きな容量を確保するために、可能な限り外びん(外層)と内びん(内層)の厚さ薄くしています。
超音波厚さ計を使用することで、外びん(外層)と内びん(内層)の厚さを破壊することなく測定することができます。
測定方法
Aスコープ(波形)表示付きの精密測定用超音波厚さ計(PVX)とペン型トランスデューサー(プローブ・探触子)の組み合わせにより、湾曲部の1mm以下の厚みを測定することができます。
内びん(内層)の測定において、内径が細く手を入れることができない場合は、通常のペン型トランスデューサーでは測定することができません。そのような場合は、延長治具とショートタイプのペン型トランスデューサーの組み合わせで測定を行います。
■延長治具の使用
内びん(内層)の測定で、蓋や内部の内径が細く、手を入れることができない場合は、延長治具を使用します。延長治具を使用することで、トランスデューサー(プローブ・探触子)が直接届かない箇所も測定することができます。
対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
10MHz | 2mm | ペン型/ショートタイプ 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD10-116PR |
鋼矢板の厚さ測定(腐食検査)
鋼矢板は、港湾・河川等の土砂漏れの防止や水密性の保持のために使用されています。
薄い鋼板を凹凸に折り曲げて製作しており、両端には継ぎ手部分がついています。施工現場で、複数枚の鋼矢板の継ぎ手をつなげることで、壁状にします。
鋼矢板は、設置後、腐食等により徐々に肉厚が減少していきます。許容を超えた減肉が進行している場合は、鋼板を溶接する等の補修を行う必要があります。ここでは、港湾・河川に設置されている鋼矢板の超音波厚さ測定(腐食検査)について説明します。
測定方法
港湾・河川に設置される鋼矢板の腐食検査(厚さ測定)には、以下の2つの方法があります。
1つは、厚さ計本体は陸上に残したまま、水中測定に対応した長いケーブルのトランスデューサー(プローブ・探触子)を水中に持ち込み、厚さを測定する方法です。比較的浅い水深での測定に適した測定方法です。水中専用のトランスデューサーを使用する必要がありますが、厚さ計本体には汎用的な厚さ計(ZXシリーズ)を使用する事ができます。
もう1つの方法は、厚さ計本体とトランスデューサーの両方を水中に持ち込み測定する方法です。
こちらの測定では、浅瀬から50m以上の深い場所まで、幅広い水深で厚さを測定することができます。厚さ計とトランスデューサーともに水中測定専用(UMX-2)となります。
水中トランスデューサー
(ケーブル長さ15m)
UMX-2
通常、測定は腐食環境の異なる箇所を測り、腐食状況を確認します。
一例として、「スプラッシュゾーン」、「中間」、「干潮時の水位の少し下」の3か所を測定する方法があります。
想定される腐食状況により、1回測定法、2回測定法、多点測定法、精密測定法などを組み合わせて測定を行います。1回測定法、2回測定法、多点測定法、精密測定法については、超音波厚さ計の測定方法(基礎)をご確認ください。
測定方法(基礎)はこちら水中構造物は、腐食の進行や貝などの付着物により、測定面の状態が非常に悪い場合が多くあります。そのままの状態では測定できません。ワイヤーブラシ等で表面をきれいにしてから測定してください。
*水中、特に海水での測定は、トランスデューサーの消耗を著しく早めます。スペアのトランスデューサーを携行することをお勧めします。
対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
3.5MHz | 18mm | 水中測定用(UMX-2専用) | 二振動子 | UMX-2 | TT-D3-12UWCT |
5.0MHz | 18mm | 水中測定用(UMX-2専用) | 二振動子 | UMX-2 | TT-D5-12UWCT |
5.0MHz | 18mm | 水中測定用(ケーブル長15m) | 二振動子 | ZXシリーズ、MVX、CMXシリーズ | TT-D5-12WP15 |
海底パイプラインの厚さ測定
海底パイプラインは、天然ガスや石油、プラント冷却用の水等の液体を輸送するため、海底に敷設されています。
敷設後の海底パイプラインの検査は困難ですが、比較的浅い海では、ダイバーが潜水することにより、超音波厚さ計を用いてパイプラインの残存厚さを直接測定することが可能で、腐食・減肉状況を確認することができます。
ここでは、比較的浅い海底に敷設されている海底パイプラインの超音波厚さ測定(腐食検査)について説明します。
測定方法
海底パイプラインの大きさは、250mm程度の小径から、5m程度の非常に大きなものまで、様々なサイズがあります。また敷設状況も様々で、海底の地中に埋設しているものもあります。
パイプラインの径が大きく、人が入ることができる場合には、内側から測定することもあります。ライニングの厚さ、ライニングを剥がして貼りなおすことの金銭的・時間的コスト、地中に埋まっているかどうか、流れている媒質などを加味し、内側から測定を判断します。
ダイバーが潜水して測定する場合は、水中測定専用の超音波厚さ計UMX-2を使用します。測定箇所は、パイプラインの周方向に90度毎に4点、45度毎に8点などとし、これを軸方向に一定間隔でに測定していきいます。
UMX-2
想定される腐食状況により、1回測定法、2回測定法、多点測定法、精密測定法などを組み合わせて測定を行います。1回測定法、2回測定法、多点測定法、精密測定法については、超音波厚さ計の測定方法(基礎)をご確認ください。
測定方法(基礎)はこちら水中構造物は、腐食の進行や貝などの付着物により、測定面の状態が非常に悪い場合が多くあります。そのままの状態では測定できません。ワイヤーブラシ等で表面をきれいにしてから測定してください。
*水中、特に海水での測定は、トランスデューサーの消耗を著しく早めます。スペアのトランスデューサーを携行することをお勧めします。
対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
3.5MHz | 18mm | 水中測定用(UMX-2専用) | 二振動子 | UMX-2 | TT-D3-12UWCT |
5.0MHz | 18mm | 水中測定用(UMX-2専用) | 二振動子 | UMX-2 | TT-D5-12UWCT |
鋼管柱(水中構造物)の厚さ測定(腐食検査)
水中構造物の一つに、橋梁などを支える鋼管柱があります。
鋼管柱などの水中構造物は、水に触れているため、陸上の構造物よりも腐食が進行しやすく、定期的な検査を実施する必要があります。また、許容を超えた減肉が進行している場合は、安全のため補修を行う等の対策を実施する必要があります。
ここでは、港湾・河川に設置される鋼管柱の超音波厚さ測定(腐食検査)について説明します。
測定方法
港湾・河川に設置される鋼管柱の腐食検査(厚さ測定)には、以下の2つの方法があります。
1つは、厚さ計本体は陸上に残したまま、水中測定に対応した長いケーブルのトランスデューサー(プローブ・探触子)を水中に持ち込み、厚さを測定する方法です。比較的浅い水深での測定に適した測定方法です。水中専用のトランスデューサーを使用する必要がありますが、厚さ計本体には汎用的な厚さ計(ZXシリーズ)を使用する事ができます。
もう1つの方法は、厚さ計本体とトランスデューサーの両方を水中に持ち込み測定する方法です。
こちらの測定では、浅瀬から50m以上の深い場所まで、幅広い水深で厚さを測定することができます。厚さ計とトランスデューサーともに水中測定専用(UMX-2)となります。
水中トランスデューサー
(ケーブル長さ15m)
UMX-2
通常、測定は腐食環境の異なる箇所を測り、腐食状況を確認します。
一例として、高さの異なる4か所を測定点とし、それぞれの箇所で5点を測定する方法を紹介します。
想定される腐食状況により、1回測定法、2回測定法、多点測定法、精密測定法などを組み合わせて測定を行います。1回測定法、2回測定法、多点測定法、精密測定法については、超音波厚さ計の測定方法(基礎)をご確認ください。
測定方法(基礎)はこちら水中構造物は、腐食の進行や貝などの付着物により、測定面の状態が非常に悪い場合が多くあります。そのままの状態では測定できません。ワイヤーブラシ等で表面をきれいにしてから測定してください。
*水中、特に海水での測定は、トランスデューサーの消耗を著しく早めます。スペアのトランスデューサーを携行することをお勧めします。
対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
3.5MHz | 18mm | 水中測定用(UMX-2専用) | 二振動子 | UMX-2 | TT-D3-12UWCT |
5.0MHz | 18mm | 水中測定用(UMX-2専用) | 二振動子 | UMX-2 | TT-D5-12UWCT |
5.0MHz | 18mm | 水中測定用(ケーブル長15m) | 二振動子 | ZXシリーズ、MVX、CMXシリーズ | TT-D5-12WP15 |
ポンツーン(浮桟橋)の厚さ測定
ポンツーンとは、船舶・ボートへの乗降り、物資の積み下ろしや船舶の係留などを目的に設置されている箱状の浮桟橋ことです。錨(いかり)などで固定し、陸岸とはタラップ(渡り橋)で連結されています。
鉄製のポンツーン(浮桟橋)は、水に触れているため、陸上の鉄製構造物よりも腐食が進行しやすく、定期的な検査を実施する必要があります。超音波厚さ計を使用する事で、腐食による減肉を簡単に測定することができます。ここでは、港湾に設置されるポンツーン(浮桟橋)の超音波厚さ測定(腐食検査)について説明します。
測定方法
港湾・河川に設置されているポンツーン(浮桟橋)の厚さ測定(腐食検査)には、以下の2つの方法があります。
1つは、厚さ計本体は陸上に残したまま、水中測定に対応した長いケーブルのトランスデューサー(プローブ・探触子)を水中に持ち込み、厚さを測定する方法です。水中専用のトランスデューサーを使用する必要がありますが、厚さ計本体には汎用的な厚さ計(ZXシリーズ)を使用する事ができます。
もう1つの方法は、厚さ計本体とトランスデューサーの両方を水中に持ち込み測定する方法です。
こちらの測定では、浅瀬から50m以上の深い場所まで、幅広い水深で厚さを測定することができます。厚さ計とトランスデューサーともに水中測定専用(UMX-2)となります。
水中トランスデューサー
(ケーブル長さ15m)
UMX-2
通常、測定は腐食環境の異なる箇所を測り、腐食状況を確認します。一例として、高さの異なる複数個所を測定する方法があります。
上面図
側面図
想定される腐食状況により、1回測定法、2回測定法、多点測定法、精密測定法などを組み合わせて測定を行います。1回測定法、2回測定法、多点測定法、精密測定法については、超音波厚さ計の測定方法(基礎)をご確認ください。
測定方法(基礎)はこちら水中構造物は、腐食の進行や貝などの付着物により、測定面の状態が非常に悪い場合が多くあります。そのままの状態では測定できません。ワイヤーブラシ等で表面をきれいにしてから測定してください。
*水中、特に海水での測定は、トランスデューサーの消耗を著しく早めます。スペアのトランスデューサーを携行することをお勧めします。
対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
3.5MHz | 18mm | 水中測定用(UMX-2専用) | 二振動子 | UMX-2 | TT-D3-12UWCT |
5.0MHz | 18mm | 水中測定用(UMX-2専用) | 二振動子 | UMX-2 | TT-D5-12UWCT |
5.0MHz | 18mm | 水中測定用(ケーブル長15m) | 二振動子 | ZXシリーズ、MVX、CMXシリーズ | TT-D5-12WP15 |