膜厚の測定 Application Notes - Ultrasonic Thickness Measurement
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膜厚
塗料は、汚れや劣化から素地を保護するため、また光沢や色彩でより美しくみせるために、橋や鉄塔などの構造物や、自動車、電気製品などで使用されています。
塗装の厚さ管理は非常に重要です。例えば塗料の塗布量が多すぎると、塗料が無駄になるだけでなく、塗装が厚くなり割れが発生する恐れが生じます。一方で薄すぎると、変色や光沢の劣化につながり、さらには、母材(素地)が露出し錆などが発生します。
ここでは、膜厚測定機能を搭載した超音波厚さ計CMXシリーズを用いての膜厚測定について説明します。
測定方法
通常、塗膜の厚さ測定には、膜厚測定専用機である膜厚計を使用します。
ただし、膜厚計は塗膜の厚さしか測定できないため、素地(母材)の厚さも把握したい場合は、超音波厚さ計も用意する必要がありました。
CMXシリーズ(CMX/CMX DL、CMX DL+)には、膜厚測定機能が内蔵されています。超音波厚さ計として素地(母材)の厚さを測定するだけでなく、同時に膜厚も測定することができます。
CMXシリーズは、膜厚測定に関する測定モードとして、以下の2つの測定モードを用意しています。
・パルス・エコー+膜厚測定モード(PECT)
・膜厚測定モード(CT)
パルス・エコー+膜厚測定モード(PECT)は、素地(母材)の厚さと膜厚を同時に測定するモードです。素地(母材)の厚さが測定できない場合は、膜厚も表示されません。
膜厚測定モード(CT)は、膜厚のみを測定する測定モードです。コンクリートや木材の塗膜厚さを測定する場合は、膜厚測定モードで測定を行います。
CMXシリーズの膜厚測定は、超音波を使用しています。このため、超音波式膜厚計と同様に以下の制約があります。
・発泡性の塗膜、異物を含む塗膜、超音波の減衰が大きい塗膜は測定できない。
・測定面が粗い場合は、超音波が透過しないため、測定できない。
・塗膜の音速を設定する必要がある。
・測定面とトランスデューサー(プローブ)の間にカプラントを塗布する必要がある。
対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
3.5MHz | 18mm | コーティング | 二振動子 | CMXシリーズ | TT-D3-12CT |
5.0MHz | 9mm | コーティング 湾曲部用 | 二振動子 | CMXシリーズ | TT-D5-316CT |
5.0MHz | 12mm | コーティング | 二振動子 | CMXシリーズ | TT-D5-14CT |
5.0MHz | 18mm | コーティング | 二振動子 | CMXシリーズ | TT-D5-12CT |
7.5MHz | 9mm | コーティング 湾曲部用 | 二振動子 | CMXシリーズ | TT-D7-316CT |
7.5MHz | 12mm | コーティング | 二振動子 | CMXシリーズ | TT-D7-14CT |