薄物(1mm以下)の厚さ測定 Application Notes - Ultrasonic Thickness Measurement
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薄物(1mm以下)の厚さ測定
超音波厚さ計は、腐食検査用と精密検査用の2種類に分類することができます。
腐食検査用の超音波厚さ計は比較的安価で、さらに近年は性能の向上により、カタログ上は0.6mm程度の薄物が測定できる機種も登場しています。しかしながら、腐食検査用厚さ計を用いた現実の1mm以下の薄物測定では、実際の厚さよりも大幅に厚い値が表示されることがあり、安定した測定が難しいのが実情です。
1mm以下の厚さ測定では、高精度で薄物測定が可能な精密検査用厚さ計をお勧めします。
このページでは、精密検査用厚さ計を用いた1mm以下の薄物材料の測定について説明します。
測定方法
1mm以下の薄物材料の測定には、精密検査用厚さ計と遅延材(ディレイラインチップ)付きのトランスデューサー(プローブ・探触子)を使用します。
遅延材(ディレイラインチップ)は、表面エコーと第一回底面エコー、第一回底面エコーと第二回底面エコーをより高い分解能で識別することを可能にします。これにより、1mm以下の信頼性の高い測定が可能となります。
精密検査用厚さ計のトランスデューサーは一振動子のため、腐食検査用厚さ計と異なり音響隔離面がありません。このため、測定時に音響隔離面の向きを気にする必要はありません。
一方で、遅延材(ディレイラインチップ)とトランスデューサーの接触面にもカプラント(接触媒質)を塗布する必要があります。ここに塗布されたカプラント(接触媒質)は徐々に乾燥していくため、少しずつ測定感度が低下していきます。このため、定期的にカプラントを塗布する必要があります。
遅延材とトランスデューサーの接触面に定期的にカプラントを塗布する
遅延材(ディレイラインチップ)
カプラント(接触媒質)の塗布方法
対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
10MHz | 2mm | ペン型 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD10-116P |
10MHz | 2mm | ペン型/ショートタイプ 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD10-116PR |
15MHz | 2mm | ペン型 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD15-116P |
15MHz | 7mm | 遅延材付き | 一振動子 | PZX-7、PVX | TT-SD15-14 |
20MHz | 7mm | 遅延材付き | 一振動子 | PZX-7、PVX | TT-SD20-14 |