樹脂・プラスチックの厚さ測定 Application Notes - Ultrasonic Thickness Measurement
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樹脂・プラスチック
自動車や電気製品に使用される樹脂(プラスチック)部品の多くは、射出成形により加工されています。
射出成形は、複雑な形状を比較的簡単に、しかも高精度な成形が可能で、樹脂(プラスチック)の加工で最もよく利用されている加工法での一つです。
通常、成形品の厚さを測定するためには、測定部を切断しノギスやマイクロメーターで計測する必要があります。しかしながら、超音波厚さ計を使用することで、切断することなく非破壊で簡単に厚さを測定することができます。
測定方法
成形品の厚さと形状により、使用する機種が異なります。ここでは、厚みと形状に適した機種とトランスデューサー(プローブ・探触子)の組み合わせを紹介します。
厚さ:1mm以上 形状:平坦・なだらかな湾曲
基本的には、超音波厚さ計ZX-3と、5MHzもしくは2.25MHzのトランスデューサーの組み合わせで測定が可能です。
ただし、ポリプロピレン(PP)等の一部の超音波の減衰が激しいの樹脂では、より高感度での測定が可能な超音波厚さ計MVXやCMX DL+を使用します。
厚さ:0.3mm以上 形状:平坦・なだらかな湾曲
超音波厚さ計PZX-7またはPVXと、15MHzの遅延材付きトランスデューサーを使用します。遅延材はアクリル樹脂製のため、測定対象が同じアクリル樹脂や似た成分の場合には測定できない場合があります。そのような場合は、遅延材をアクリル樹脂からグラファイトに変更することで、測定することができます。
8mmを超える厚物の測定では、5MHzのコンタクトタイプのトランスデューサーを使用します。
ポリプロピレン(PP)のような超音波の減衰が激しい樹脂の測定では、PZX-7ではなくPVXを使用します。
厚さ:0.3~4mm程度 形状:平坦・湾曲・エッジ
超音波厚さ計PVXと、10MHzのペン型トランスデューサーを使用します。
ペン型トランスデューサーは、先端が細いため湾曲部の測定が可能ですが、一方で測定箇所に垂直にあてることが難しく、通常の厚さ測定に比べると難易度が高い測定です。
ペン型トランスデューサーの使用方法については、高圧ガス配管等の小径配管・パイプの厚さ測定をご確認ください。
小径配管・パイプの厚さ測定はこちら