ペットボトルの厚さ測定 Application Notes - Ultrasonic Thickness Measurement
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ペットボトルの厚さ測定
ペットボトルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)と呼ばれる熱可塑性樹脂を材料として作られています。試験管状のプリフォームに成形後、加熱し空気を入れて膨らませることで、ボトル状に成形します。ガラス瓶に比べ軽量で、丈夫で割れにくいため、主に飲料用容器として使用されています。
ペットボルトの厚さは、耐衝撃性や耐圧力性を考慮し設計されています。製造時の厚さ測定では、ペットボトルをカットしてマイクロメーターで測定する方法の他に、切断することなく非破壊で測定することができる超音波厚さ計や磁気式厚さ計が用いられています。
超音波厚さ計と磁気式厚さ計の違い
超音波厚さ計、磁気式厚さ計ともに、ペットボトルの厚さを測定することが出来ます。ただ、それぞれの装置には得意・不得意があるため、測定対象の厚さや形状、連続的な測定の実施有無等を考慮し選定します。
まず、測定対象の厚さが0.15mm未満の場合は磁気式厚さ計を使用します。超音波厚さ計では0.15mm未満の測定は困難です。
次に、1本のペットボトルに対し多数測定箇所がある場合や全周を連続的に測定する場合は磁気式厚さ計、数点しか測定しない場合は超音波厚さ計を用います。磁気式厚さ計ではターゲットボールをペットボトル内部に入れる必要がありますが、超音波厚さ計ではその必要がありません。ターゲットボールの入れ替えは多少の手間がかかるため、数点しか測定箇所がない場合は超音波厚さ計の方が短時間で測定が出来ます。
また、測定対象のPETボトルが透明ではなく色がついている場合は、内部のターゲットボールが見えないため、磁気式厚さ計での測定は難易度が高くなります。
装置の選定に迷った場合は、当社にお気軽にご連絡ください。お客様のニーズをヒアリングし、適切な装置を提案します。
測定方式 | 対象とする厚さ | カプラント | ターゲットボール | 連続測定 | 曲面・コーナーの測定 |
---|---|---|---|---|---|
超音波厚さ計 | 0.15mm以上 | 必要 | 不要 | × | △ |
磁気式厚さ計 | 0.01mm以上 | 不要 | 必要 | 〇 | 〇 |
測定方法 超音波厚さ計
ペットボトルは、Aスコープ(波形)表示付きの精密測定用超音波厚さ計PVXとペン型トランスデューサーの組み合わせで測定を行います。
測定できるペットボトルの厚さの目安は、0.15mm以上です。ただし、形状や部位によっては測定できない場合もあります。測定を検討中のお客様は、当社までご相談ください。無償でサンプルテストを実施します。
ペン型トランスデューサーを用いての基本的な測定方法については、湾曲・エッジ部の厚さ測定をご覧ください。
湾曲(曲げ・絞り)・エッジ部の厚さ測定はこちら
測定方法 磁気式厚さ計
磁気式厚さ計は、測定箇所にセンサーを接触させ、同時に反対側に鉄球や磁石球等のターゲットボールを配置することで、センサーとターゲットボールの距離を測定し、測定箇所の厚さを表示します。
測定箇所の反対面に鉄球等を配置する必要がありますが、カプラント(接触媒質)が不要なため連続的な測定に適しており、さらに曲面やコーナーの厚さ測定も比較的簡単に行うことができます。また、超音波厚さ計では測定困難な0.1mm未満の厚さ測定も可能です。
動画
ペットボトル容器の測定 PVX
磁気式厚さ計 QB-7 測定方法
対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
10MHz | 2mm | ペン型 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD10-116P |
10MHz | 2mm | ペン型/ショートタイプ 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD10-116PR |
15MHz | 2mm | ペン型 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD15-116P |